”ハイブリッド” コンピュータから端を発したこの言葉は今や多くの分野で使われております。
言葉が定着したのは自動車業界からでしょうか。各社生産しているハイブリッドシステムの車は自動車界のメインを張っております。
ファッション業界でも例外ではなく、シューズの場合だと、アッパーはドレスシューズでソールはスニーカー風な軽量かつ柔らかなものを使用。
服においてはモードとストリート、クラッシックとハイテクなどこれまででは思いついても実際に形になることが無かったようなものが発表されてきています。
テイストのみならず、素材に関しても例外ではありません。
「HERNO」では今季ダウン × ムートンのハイブリッドアウターをオーダー。
前身頃とフードにムートンを使用して、ムートン独特の重厚感を出しつつも、その他のパーツのライニングにダウンを使用することで、軽さと暖かさも併せ持った一着に仕上げています。
カラーもグレーをベースにほんのりとラベンダーカラーも合わせた柔らかな色味でムートンのもつラグジュアリーさをうまくカジュアルダウンしてくれます。
ニットは「PANICALE」。そこまで肉厚ではないミドルゲージのボディにケーブル編みを施すことによって、アウターのボリューム感に負けない表情を持った一枚に仕上がっています。
左腕の一部分にカラー切り替えもされており、アウターを脱いだ時もしっかりと存在感を示してくれる一枚です。
パンツには「PT01」。ジェントルマンフィットという新たなフィッティングを採用したこの一本は腰回りにゆとりを持たせ足首にかけてテーパードをかけたシルエット。
素材は光沢感のあるウールを使用しており、アウター、ニット、シューズのカジュアル感をピリッと引き締めてくれます。
そして足元は「Pernoi × ADOLFOCARLI」の別注スニーカーを。
秋冬シーズンのホワイトカラーは昨年あたりからキーになっており、全体的にトーンの重くなりがちなこの時期に足元を軽く見せてくれます。
パンツ、シューズともに”ボリューム”がポイントになっており、こちらもHERNOのアウターに負けない存在感をもったアイテムになっております。
HERNOのアウターをメインに据えたこちらのコーディネート、一見するとボリューミーに見えますが、ニットのサイズ感、パンツのシルエットをすっきりとさせることにより全体のバランスをうまくとったコーディネートに仕上がっております。
全体的にスリムでもボリューミーでもなく、ボリューミー×スリムの”ハイブリッド”が今季のコーディネートのキーとなるでしょう。