3.11から今年で10年。
10年の月日がたった今も復興はまだまだ続いています。
そしてこれからまた5年、10年、20年と経っていった時にこの大災害が人々の心の中に残っているのか。
辛い思い出でもう忘れたいという方もいらっしゃると思います。
一方で一つの教訓として次世代に語り継いでいく必要があるとも感じます。
先日盛岡市内で行われた「祈りの灯火」というイベントに参加してきましたが、その中では多くの方が「風化」を危惧されていました。
こういったイベントが行われることで、経験していない世代もあの大災害を知るいい機会なのかなと感じました。
同じ岩手県に店舗を構えておりますので、沿岸に住んでいて震災を経験されたお客様も多くいらっしゃいます。
特に印象に残っているのが「靴とか服とか全部流されちゃったから、またこれから買い直そうかと思って」と言ってご来店されたお客様。
笑いながらそんな話をされていましたが、ここに至るまで多くの事を乗り越えてきたんだろうなと思うと素直に尊敬の念しかありません。
難局にも強く立ち向かえる岩手県民のメンタリティを先人があらわしてくれています。
岩手県出身の詩人、「宮沢賢治」。彼が約90年前に執筆した「雨ニモマケズ」。
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
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と続く詩。
どんなことがあっても驕らず、人のために動ける様な人でありたいと願う。
彼の願いは時代が変わっても現代まで脈々と受け継がれているように思います。
そしてこのメンタリティを常に身につけておけるアイテムが昨年に引き続き菅原靴店に到着しています。
Vittorio SPERNANZONI
1965年創業の同社。
シューズに始まりバッグ、革小物に至るまで、上質なレザーアイテムを生み出すファクトリーで、現在では世界中のショップでそのアイテム達が展開されています。
アイテム自体のラグジュアリーさを更に引き立てる「スクリット」。数年前からその技術を本格的に展開しております。
昨年に引き続き、菅原靴店の別注としてオーダーを行いました。
前述の「雨ニモマケズ」の英訳をスクリットとしてシューズや小物にあしらいました。
こちらは3.11復興支援プロジェクトの際に、GEKKO JAPANさんにご協力いただき、当時パーカやトートバッグなどにプリントした、弊社代表の友人でもある岡山のデニムブランドGEKKO JAPANの長谷川祐二さんが手掛けたもの。
今季は昨年から進化した、加工部分にカラーの箔押しを施した新色も登場。ゴールドにてオーダーを行いました。
革小物は昨年好評をいただいた名刺入れ、2つ折り長財布をはじめ、ラウンドジップ長財布(シングルジップ)をオーダー。
スクリットに目が行きがちですが、実はベースのボディ部分も見逃せません。
パティーヌと呼ばれるムラ染めが施されており、職人の手作業で行われるものの為一つとして同じものがないというのも魅力。
ブラック、ダークブラウン、ブラウンの3色をご用意しております。
もちろんルーツでもあるシューズもオーダーしております。
王道デザイン、ダブルベルトを採用したメンズのサンダルが初登場!
深みのあるダークブラウンとブラックの2色は勿論パティーヌ仕上げ。そして雨ニモマケズのスクリットが施されています。
昨年に引き続きスリッポンスニーカーも到着。
引き続きメンズのキーワードになっているモノトーンスタイルを支えてくれるブラックカラー。
軽量かつ柔軟なソールで見た目の重厚感とは裏腹な快適な履き心地を実現しています。
そして、今回SPERNANZONIの売り上げの一部を利用して震災時大きな被害を受けた、大船渡・小石浜の漁師の皆様へストーブを寄贈したいと思います。
これからも菅原靴店としてできる事、そして一人の人間としてできることをやっていきながら、あの大震災を忘れずに。