職人:自分の技能を使ってモノを作る事を職業とする人。
靴、洋服を扱う私達と致しましては多くの職人と会う機会に恵まれております。
靴職人、靴磨き職人、テーラー・・・etc
ほんの一部ではありますが、職人の技術に触れ、モノ作りとは何なのかをかじってきたつもりでいました・・・
しかし、日々の生活を支えているアイテムでこれだけの高い技術と心遣いが
注ぎ込まれているとは知らなかったアイテムがありました。
「靴下」
子供からお年寄りどんな世代の人でも必ず履いた事があり、ある意味靴よりも使用頻度が
高いアイテムかもしれません。
足元を靴と共に支えてくれる靴下。その生産を世界最高峰の技術で手掛けるファクトリーが東京の下町にありました。
GLENCLYDE
根津に社を構え、今や世界中の名だたるセレクトショップでの商品展開、ブランドからの生産依頼を受けクオリティの高い
モノ作りを続けています。
同社が日本で初めて生産したアンクルソックス、民族調な柄を高度な編みで表現したライン”CHUP”
と様々なラインを展開していますが、私たちが目を付けたのが
「SEA ISLAND COTTON」を使ったシリーズでした。
そもそもSEA ISLAND COTTONとは・・・
16世紀にコロンブスによって発見されたカリブ海の島々(西印度諸島)で栽培された綿花から紡ぎだされた綿糸を指します。
綿花は育つに相応しい土壌と環境の中でしか育たず、育てるにも多くの労働力、高い農業技術が必要とされます。
その条件を満たしたのが、西印度諸島。
そしてその綿は英国女王エリザベスⅠ世に献上された事を機会に英国貴族の間でステータスシンボルとなっていきました。
その地位を勝ち得たのもこの綿が、綿らしからぬ特徴を持ち合せていたからです。
コットンでありながらカシミヤの様な肌触り、絹の様な光沢、そしてどんな綿よりも強く、軽く、高い吸湿性を誇ります。
今では「幻のコットン」とも呼ばれ、西印度諸島海島綿協会に認められた会社のみ扱える素材となっています。
その幻のコットンを同社が取り扱う事を認められたのが2012年。
そこからシーアイランドコットンを使用したカジュアルソックスの開発を進め、現在同社が日本で唯一
この素材でカジュアルソックスを生産しています。当店との出会いもこのカジュアルソックスからでした。
GLENCLYDEの素晴らしい所はシーアイランドコットンを使っているだけでは勿論ありません。
表糸、裏糸の番手、ゴム糸の番手、度目調整、仕上げの圧力などとにかくこだわった仕上げ、
更にその最たる技術が「ハンドリンキング」です。
リンキングミシンと呼ばれる特殊なミシンに職人が一目一目合わせながらつま先の縫製を仕上げる。
仕上げられた縫製部分は裏表というのがほぼ見えず、ゴロツキがないフラットな仕上がりです。
まさに多くの職人技に支えられたソックスなのです。
これがハンドリンキングの証。
恐ろしい事に人は欲深いもので良いモノに触れるとより良いモノを求めてしまうのです。
私たちはあるお願いをしました。
”このコットンを使ってビジネス用のソックスは作れないか”
当店のシューズのラインナップの多くはビジネスでも使えるドレスシューズ。
日々そのシューズを履いて仕事をするビジネスマンの足元を靴だけでなく最高の素材を用いたソックスでも支えられないか?
そう考えた結果、この結論にたどり着きました。
ソックスの長さ、編み地、糸の番手など、お互いのこだわりをぶつけ合いながら生まれたこの一足。
今までなかったロングホーズのデザイン。
Sugawara ltdの”完全別注”ソックスです。
職人入魂の一足。是非抜群の素材感と作りをご体感下さい。